イラストレーターには「個別に変形」というメニューがあります。
(オブジェクト>変形>個別に変形)
通常、複数のオブジェクトを選択した状態で拡大縮小や回転を行うと、それらの複数オブジェクトはひとまとまりのものとしてみなされ、全体として変形します。一時的にグループ化されているようなものです。なので変形の「中心軸」もすべてのオブジェクトの中心になります。
一方、オブジェクトメニュー内にある「個別に変形」を使用すると、オブジェクトを複数選択しても、中心軸はそれぞれのオブジェクトにあります。
そのため、たとえば作成中のオブジェクト全体を45度傾けたあと、文字だけをもとの角度に戻したい…そういったとき、文字をすべて選択して、「個別に変形」の「回転」に「-45」を入力すれば、位置を動かすことなく水平に戻すことができます。非常に便利な機能です。
しかし時々、その機能がうまく働かないことがあります。
私の場合、まさに上記の状況で、一気に文字の角度を戻そうとしたのですが、なぜか個別に回転することができず、全体として動いてしまいました。ひとつふたつなら個々に回転させればいいのですが…。
このとき、原因は「レイヤー」でした。
理由はわかりませんが、いろいろと試しているうちに、あるレイヤーに含まれている文字はどうやっても個別に変形できないことに気がつきました。そこで個別に回転できないレイヤーからオブジェクトを一旦外に出してみたところ、うまくいきました!
すべての状況にあてはまるわけではないと思いますが、個別に変形ができないとき、試してみるのをおすすめします。
ちなみに、個別に変形のショートカットは「Shift+Ctrl+Alt+D」です。