※視聴中なので随時更新
2019年の年末にAbemaTVで映画ドラえもんが全作配信されていたのでプレミアム体験登録して視聴した。感想を以下にまとめる。
なお映画ドラえもんはほぼ初視聴。
ただし、大長編ドラえもんのコミックスをのび太の恐竜~ドラビアンナイトまで持っていたので、映画よりも漫画として愛着がある。はじめに結論を述べるが、映画ドラえもんは漫画の大長編ドラえもんの表現を越えられていないと感じた。
第1期
1.のび太の恐竜 評価:★★★
- 監督:福富博
- 脚本:藤子・F・不二雄、松岡清治
- 1980年3月15日
大きくなったピー助の声が想像していたものと違ったので少し慣れなかった。小さい頃の声は良い。漫画版で感じた、アメリカ大陸から日本へと「歩いて」帰るのだという、そのはてしない道のり、無謀とも思える企てにのりだしていく不安と覚悟、かすかな希望への感情移入が映画版では薄かった。読者(特に、幼い読者)がじっくりと時間をかけて一コマ一コマを鑑賞できる漫画と違い、時間制限のある映画ではそういった余白ともいうべき時間の流れのとりかたがやはり難しい。月をみあげて鳴くピー助の後ろ姿は良かった。漫画版でフタバスズキリュウについて学んだ作品。
2.のび太の宇宙開拓史 評価:★★★
- 監督:西牧秀夫
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1981年3月14日
しずかちゃんがのび太のことを「のび太くん」と言っていてちょっと吃驚した。のび太さん呼びになったのはいつからなんだろう。鉱石をズラすことで半重力を発生させるというギミック、紫の夜や雪という異星の風土にわくわくする。漫画版ではガンマンとしてののび太のシリアスな活躍が光ったが、映画ではその要素がかなり薄い。のび太とドラえもんがコーヤコーヤ星で楽しく過ごし、ゲストとの友情を育んだ描写があるのは良かった(新作ではそれがあまり感じられなかった)。
3.のび太の大魔境 評価:★★★
- 監督:西牧秀夫
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1982年3月13日
しずかちゃんが「男のくせに」「男らしく」という発言をしているのに驚いた。このあたりのジェンダーについての表現は現代にはそぐわず、時代を感じる。ジャイアンが責任を感じるシーンなどは新作よりも良い(ただし、漫画版のほうがもっと良い)。サベール隊長との対決が漫画版ではVSのび太だが、映画版ではVSペコになっている。この改変はあまりよくない。
4.のび太の海底鬼岩城
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1983年3月12日
漫画版でマリアナ海溝について学んだ作品。
5.のび太の魔界大冒険
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1984年3月17日
6.のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1985年3月16日
7.のび太と鉄人兵団
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1986年3月15日
8.のび太と竜の騎士
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1987年3月14日
漫画版で置換化石、恐竜絶滅について学んだ作品。
9.のび太のパラレル西遊記
- 監督:芝山努
- 脚本:もとひら了
- 1988年3月12日
10.のび太の日本誕生
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1989年3月11日
11.のび太とアニマル惑星(プラネット)
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1990年3月10日
12.のび太のドラビアンナイト
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1991年3月9日
13.のび太と雲の王国
- 1992年3月7日
14.のび太とブリキの迷宮(ラビリンス)
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1993年3月6日
15.のび太と夢幻三剣士 評価:★★★★
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1994年3月12日
夢と現実がまざりあう不気味さ。敵が強力で、のび太やしずかちゃんが死を経験するなど、映画ドラえもんシリーズでも異色の作品ではないだろうか。夢の世界の問題は解決したが、あの鳥は何者だったのか、謎が残る。ラストシーンの学校の姿には驚かされる。
16.のび太の創世日記 評価:★★★
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1995年3月4日
夏休みの自由研究で、地球をつくるというもの。ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」ものといえる。現実とは微妙にズレた歴史を描くさいに神話や伝承のモチーフをもちこみ、時間の経過とともにさまざまな世界を見守ることになる。「別の世界でののび太の一族」がどう変遷していくかを追っていくため、のび太たちは基本的に傍観者の立場。子どもの気まぐれでつくられた世界だという「真実」を虫たちがそれほど衝撃的にとらえていないのは、あえて、なのだろうか。エンドロールでの「絵日記」の文章がとても子どもらしく興味深く読んでしまった。
17.のび太と銀河超特急(エクスプレス)
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1996年3月2日
18.のび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記
- 監督:芝山努
- 脚本:藤子・F・不二雄
- 1997年3月8日
19.のび太の南海大冒険
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 1998年3月7日
20.のび太の宇宙漂流記
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 1999年3月6日
21.のび太の太陽王伝説
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 2000年3月11日
22.のび太と翼の勇者たち
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 2001年3月10日
23.のび太とロボット王国(キングダム)
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 2002年3月9日
24.のび太とふしぎ風使い
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 2003年3月8日
25.のび太のワンニャン時空伝
- 監督:芝山努
- 脚本:岸間信明
- 2004年3月6日
第2期
26.のび太の恐竜2006
- 監督:渡辺歩
- 脚本:渡辺歩、楠葉宏三
- 2006年3月4日
27 のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~
- 監督:寺本幸代
- 脚本:真保裕一
- 2007年3月10日
28.のび太と緑の巨人伝 評価:★★★
- 監督:渡辺歩
- 脚本:大野木寛
- 2008年3月8日
ドラえもんの道具で動けるようになった苗木のキー坊の話を映画化したもの。キー坊のデザインが変更されていた。緑の巨人の脅威と、その解決法の提示があいまいで、よくわからないうちに解決していた。堀北真希の王女の声は好みだった。
29.新・のび太の宇宙開拓史 評価:★★★
- 監督:腰繁男
- 脚本:真保裕一
- 2009年3月7日
新キャラを加えて設定をやや変更したリメイク版。ピンクの毛玉は初めなんだこいつと思うが、最後までみるとなかなかいいなと感じる。敵役の設定変更についてはより敵が賢く、強くなっておりよかったが、味方側の新キャラについては存在意義が薄い。もっと大きく物語の主軸に絡ませてもよかったのではないか。
30.のび太の人魚大海戦 評価:★★★
- 監督:楠葉宏三
- 脚本:真保裕一
- 2010年3月6日
ゲストヒロインの年齢がのび太たちよりも少し上なので、悩みもやや複雑だが、みていてなんとなく安心感がある。架空水、人魚のモチーフはひきこまれるが、物語自体は凡庸。
31.新・のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち~ 評価:★★★★
- 監督:寺本幸代
- 脚本:清水東
- 2011年3月5日
名作のリメイク。ザンダクロスの脳がひよこになっていて驚いた。ジュドではない別名をつけられていたようだが記憶に残らず。無理やり改造する原作はどうかと思っていたので(ロボットの人権無視では?)、友情を育み、協力するという展開はよかった。ミクロスのくだりは全カットだったのが残念。しずかちゃんの家にロボットが侵入する画面には恐ろしさがあり良い。
32.のび太と奇跡の島~アニマル アドベンチャー~ 評価:★
- 監督:楠葉宏三
- 脚本:清水東
- 2012年3月3日
鑑賞しはじめたものの、途中で声優の声がきついなと感じたので中断。
33.のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム) 評価:★★★
- 監督:寺本幸代
- 脚本:清水東
- 2013年3月9日
博物館というわりにはひみつ道具の工夫と活躍が少ない。ゲストキャラのマスコットと、太陽の暴走の話が出てきたときに展開と解決法が予想出来てしまった。マスコットキャラの行動に、もっと感情をのせることもできたのではないか。
34.新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~ 評価:★★★★
- 監督:八鍬新之介
- 脚本:清水東
- 2014年3月8日
名作のリメイク。ほぼ原作に準じているように思った。新作ではペコとのび太の友情がエピソード追加より強められている(旧作ではもっと淡白)。敵に追い詰められ、ペコがこれまでか、と諦めるのは少々唐突すぎるような印象(旧作のほうが納得できる)。さきどり約束機によるしずかちゃんの機転、その周辺の状況の描き方は新作の方がよく整理されていて良い。それにしてもペコは犬のふりをしていたが、人間を犬のように舐めることには抵抗がなかったのだろうか?
35.のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ) 評価:★★★
- 監督:大杉宜弘
- 脚本:清水東
- 2015年3月7日
戦隊ヒーローものパロディ。のび太たち(ドラえもん含む)がヒーローものの映画を撮ろうとしていたら、本物と勘違いした宇宙人に助けを求められるという話。敵の配役、アクション、ストーリーは「ヒーローもの」を踏襲しているのでドラえもん的ではない。監督の能力がものすごい都合がいいな!と思ったがそこはそれ。ゲストの外見がネズミ的だったので、そのあたりドラえもんと一悶着あるか、と思っていたら何もなかった。
36.新・のび太の日本誕生 評価:★★★★★
- 監督・脚本:八鍬新之介
- 2016年3月5日
名作のリメイク。特筆すべきはパパの器の大きさと、ママの成長。こういった静かな提示こそ、おとながみてもぐっとくるし、子どもの心にも残るのではないだろうか? 背景の雲が美しい。家づくりの際、こてでならして自分の部屋をつくるシーンがカットされたのは好きなところだっただけに残念。旧作と比べてグリが可愛い(旧作ではペガしか目立っていなかった)。三匹のペットとの別れは悲しいが、架空の生きものにはどの時代にも居場所がないというタイムパトロールの言葉は重い。そういう命をつくりだしてしまったのび太の(そして安易にペットをつくらせたドラえもんの)責任を思う。
37.のび太の南極カチコチ大冒険 評価:★★★★
- 監督・脚本:高橋敦史
- 2017年3月4日
良作。構図や画面作りなど、アニメーションに工夫があり、道具を活用する面白さもある。ただ、過去へ戻る手段の確保についてはよかったが、戻ってからの戦い方についてはもうひと工夫がほしかった(無策のままただやみくもに戻ったようにみえた)。ゲストの心情に深みはなく、のび太たちにも成長はないが夏の思い出として爽やかで良かった。ポスターの美術が素晴らしい。
38.のび太の宝島 評価:★★
- 監督:今井一暁
- 脚本:川村元気
- 2018年3月3日
驚きの駄作。鑑賞する価値なし。興行収入が歴代一位ときいたが、作品の質でかちとったものではないと思われる。スティーブンスンの「宝島」要素は一切なく、タイトルに冠するべきではなかった。父と息子の関係を背景にしているようだが、とってつけたものでしかない。動機と行動、設定に不整合があり、何ひとつ納得できるものではない。
39.のび太の月面探査記
- 監督:八鍬新之介
- 脚本:辻村深月
- 2019年3月1日
40.のび太の新恐竜
- 監督:今井一暁
- 脚本:川村元気
- 2020年3月6日